よう(読み)ヨウ

デジタル大辞泉「よう」の解説

よう[助動]

[助動][○|○|よう|(よう)|○|○]上一段・下一段・カ変・サ変動詞の未然形、助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」などの未然形に付く。なお、サ変には「し」の形に付く。
話し手志・決意の意を表す。「その仕事は後回しにしよう
らちあき次第起こしに来い。明日顔見よう」〈浄・生玉心中
推量・想像の意を表す。「会議では多くの反論が出されよう
「うばも待て居よう程にはよう行れよ」〈浮・風流夢浮橋〉
(疑問や終助詞「か」を伴って)疑問・反語の意を表す。「そんなに不勉強で合格できようか」
(多く「ようか」「ようよ」「ようではないか」などの形で)勧誘や、婉曲えんきょくな命令の意を表す。「その辺で一休みしようよ」「みんなで行ってみようではないか」
「かかさん、ねんねしよう」〈洒・甲駅新話〉
(「ものならば」などを伴って)仮定の意を表す。「失敗なんかしようものなら許しませんよ」
「一生のうちに一度でも天晴あっぱれ名作が出来ようならば」〈綺堂修禅寺物語
実現の可能性の意を表す。「あの男がそんな悪いことをしようはずがない」
(「ようとする」「ようとしている」の形で)動作・作用が実現寸前の状態にある意を表す。「秋の日は早くも西の山に没しようとしている」→
[補説]室町末期ごろ、推量の助動詞「む」の変化形「う(うず)」が上一段動詞、たとえば「る」「見る」に付いて音変化した語形「よう」「みょう」から「(射・見)よう」が分出されたのが始まりで、江戸時代に入ってしだいに一語化したと言われる。連体形は、56のように形式名詞「もの」「はず」「こと」などを下接する用法が普通で、主観的な情意を表現する終止形に比し、客観性のある表現に用いられる。なお、2は現代語では、ふつう「だろう」を用いる。

よう[感]

[感]
気軽く人を呼んだり、あいさつしたりするときの呼びかけの語。「よう、元気かい」
をねだったり、せがんだりするときに発する語。「よう、頼むよ」
ほめそやすとき、ひやかすときなどに発する語。「よう、いいぞ」

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精選版 日本国語大辞典「よう」の解説

よう

〘助動〙 (活用は「〇・〇・よう・よう・〇・〇」。現代語では、上一段・下一段・カ変・サ変活用の動詞および助動詞「れる・られる・せる・させる」の未然形に付く。→語誌) 意味・用法は助動詞「う」に同じ。
① 話し手の意志・決意を表わす。行動をともにするために他人をうながすのにも用いる。
※虎明本狂言・鍋八撥(室町末‐近世初)「某もただ是にいよう」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「サアサア、出やう出やう」
② 現在、または未来の事柄について、話し手の推量を表わす。…だろう。
※説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一〇「あのひめ一人、もつならば、きみのちゃうふうふは、らくらくと、すぎやうことのうれしやと」
※浄瑠璃・曾根崎心中(1703)「徳様に離れて、片時も生てゐよふか」
③ (「とする」を伴って) 動作・作用がおこる直前の状態にあることを表わす。
※出定笑語講本(1811)上「世の初天地の成(でき)ようとする時に」
④ 当然・適当の意などを表わす。…してしかるべきだ。
※歌舞伎・傾城金秤目(1792)三番目「御難儀を察し入り、申上やう詞もござりませぬ」
[語誌]一・二段活用の動詞に推量の助動詞「む」を伴ったもの、たとえば「見む」「上げむ」は、室町時代末までに「みう」「あげう」から「みょう」「あぎょう」のような融合したオ列拗長音の形に変化していたが、そこから再び動詞未然形と助動詞とが分かれて、助動詞「よう」の形を生じた。これが、近世にはいって、一・二段活用の動詞一般のこととなり、カ変・サ変にも及んだ。ただし、この変化は、東国で進んだものと思われ、現代の標準語のように、五(四)段活用の動詞には「う」が、その他の活用には「よう」が付いて、接続を補い合う用法は、近世後期江戸語で勢力を得た。

よう

動〙
① 人を呼んだりさそったり、また、人に頼んだり、ねだったりする際にいうことば。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Yô(ヨウ) マイロウ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「ヨウ、おっかアさん。お弁当にしておくれな。ヨウ」
② 感心してほめたりひやかしたりする時、また、思いがけず出会った時などに発する声。
※虎明本狂言・枕物狂(室町末‐近世初)「ようあらしほらしやと思ふて」
③ 歌謡の囃子詞(はやしことば)
※歌謡・新編歌祭文集(1688‐1736頃)五〇・水木染之介冥途の正月「夢と消えにし其の名をば、聞けばいとしやよほよほよほいいいいいいいとしやと」

よう

〘間投助〙 =よ〔間投助〕(一)②
洒落本・角雞卵(1784か)後夜の手管「じれってへヨウ」

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日本大百科全書(ニッポニカ)「よう」の解説

よう
よう / 癰

隣接したいくつかの毛孔に黄色ブドウ球菌が感染しておこる化膿(かのう)性炎症で、癤(せつ)が一か所に集まってできたものと考えられる。ほとんどが中年以降の糖尿病をもった人の首の後ろや背中に生じ、数個の毛孔を中心として皮膚が赤く腫(は)れ、発熱と悪寒を伴って毛孔が点々と化膿する。激しい痛みがあり、化膿が進むと表面が破れて膿(うみ)が出るが、なお深部に濃い膿の塊があって、ちょうど蜂(はち)の巣か篩(ふるい)の目に膿が詰まったようにみえる。合併症としてリンパ節炎や蜂巣織炎(ほうそうしきえん)(蜂巣炎)をおこし、老人、糖尿病患者や顔に生じたときには重症となる。治療は安静にし、早期に抗生物質投与を行い、糖尿病を合併しているときにはその治療を行うことが必要である。

[野波英一郎]

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