広瀬郡(読み)ひろせぐん

日本歴史地名大系 「広瀬郡」の解説

広瀬郡
ひろせぐん

馬見うまみ丘陵東麓、現北葛城郡東北部の河合町・広陵町付近に存在した郡。「日本書紀」天武天皇四年四月一〇日条に「大忌神を広瀬の河曲に祭らしむ」とあり(北葛城郡の→広瀬神社、同一〇年一〇月条に「天皇、広瀬野にけみしたまはむとして、行宮構り」とある行宮を「大和志」は現広陵町大字大野おおのに求めている。和銅二年(七〇九)弘福寺田畠流記帳(円満寺文書)に「大倭国広瀬郡大豆村田弐拾町玖段弐拾壱歩」とあり、現高市郡明日香村の弘福ぐふく(川原寺)大豆まめ(北葛城郡の→馬見丘陵田畠をもっていたことがわかる。

和銅六年五月一〇日付の平城宮出土木簡には「広背郡」、天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)は「広湍郡」と書き、欠年の勘籍歴名(同文書)には「大倭国広湍郡広湍郷」がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android