庇ふ(読み)タバウ

デジタル大辞泉 「庇ふ」の意味・読み・例文・類語

たば・う〔たばふ〕【×庇ふ/貯ふ】

[動ハ四]
害などから大切に守る。かばう。
「与一殿討たれ給ひぬと聞きて後は誰ゆゑ身をば―・ふべき」〈盛衰記・二〇〉
大切にしまっておく。蓄える。
物類なら何にても、―・うて虫は入れまいに」〈浄・八百屋お七

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「庇ふ」の意味・読み・例文・類語

たば・うたばふ【庇・貯・惜】

  1. 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 大切にしまっておく。貯える。また、出し惜しみをする。〔観智院本名義抄(1241)〕
    1. [初出の実例]「樊於期が首あり。是を後日までたばひ置くに由なし」(出典:源平盛衰記(14C前)一七)
  3. ( 多く「命(身)をたばふ」の形で ) 他の害から守り助ける。かばう。
    1. [初出の実例]「世を渡る思、命をたはう志、彼も此も共に同じ」(出典:海道記(1223頃)手越より蒲原)
  4. あらわにしないようにする。露骨に表わさないようにする。
    1. [初出の実例]「重忠も申しかかりたる事なれば、言葉もたばはず、伸び上り」(出典:寛永版曾我物語(南北朝頃)三)

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