座して死を待つ(読み)ざしてしをまつ

故事成語を知る辞典 「座して死を待つ」の解説

座して死を待つ

死が近づいているというのに、生き延びるための努力を何もしないこと。

[使用例] 左平太も今は破れかぶれだ。座して死を待つよりも、自分から切って出て、新吾と雌雄を決しようと[川口松太郎新吾十番勝負|1957~59]

[由来] 三世紀の中国、三国時代しょく王朝宰相しょかつりょう通称は諸葛こうめい)が、皇帝に対して差し出した「こうすいの表」という文章から。対立する王朝の強さを認めつつも、「もし魏を打ち破らなければ、わが王朝は滅びてしまいます。『してほろぶるを待つは、これうつつといずれぞ(ただ何もしないで滅ぼされるのを待つのと、こちらから攻撃するのとどちらがよいでしょうか)』」と述べて、魏との戦いに赴く強い決意を述べています。現在では、「亡びる」を「死」に変えた形の方が一般的です。

〔異形〕座して亡びるを待つ。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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