庭火・庭燎(読み)にわび

精選版 日本国語大辞典 「庭火・庭燎」の意味・読み・例文・類語

にわ‐び には‥【庭火・庭燎】

[1] 〘名〙
① 庭でたく火。特に宮中で、神楽を奏する時、照明のためにたかれる篝火(かがりび)
※続日本紀‐天平三年(731)正月乙亥「神祇官奏。庭火御竈四時祭祀。永為常例
※枕(10C終)一四二「にはびの煙のほそくのぼりたるに」
土間に設けた庭囲炉裏の火。庭かまどの火。
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「いゑいゑに庭いろりとて、〈略〉輪に入たる丸餠を庭火にて焼喰ふも」
[2] 宮中の神楽の曲名儀式の前の神迎えの作法として、笛・篳篥・和琴の順に奏し、本方・末方の唱者によって歌われる。
※風情集(1178頃)「にはびふくみかきの中のふえのねは心すみてや神もきくらむ」

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