廟墓彫刻(読み)びょうぼちょうこく(その他表記)sepulchral sculpture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「廟墓彫刻」の意味・わかりやすい解説

廟墓彫刻
びょうぼちょうこく
sepulchral sculpture

死者を哀悼し,記念して作られた線彫,浮彫,彫像などの廟墓に付属する彫刻のことで,空墓,石棺,石板,墓碑などがある。古代の廟墓彫刻の代表例としては,エジプトの葬祭用の彫像,ギリシアの墓碑彫刻,エトルリアの彩色陶棺などがある。キリスト教公認後のヨーロッパでは,死と罪からの救済と永遠の生を願うキリスト教の理念が主題とされ,形式的には石碑や石棺上に二次元的に表現されていたものが,次第に三次元的表現に変っていく展開がみられる。ルネサンス以降は,人間中心主義的精神の反映がうかがわれるようになり,ミケランジェロの『ユリウス2世墓碑』『メディチ家廟墓』のようなモニュメンタルな傑作が生れた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android