弘瀬庄(読み)ひろせのしよう

日本歴史地名大系 「弘瀬庄」の解説

弘瀬庄
ひろせのしよう

善光ぜんこう寺と戸隠とがくしの中間、現長野市芋井いもいの辺りに設置された荘園。「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日の条に「弘瀬庄院御領」とみえ、後院領であった。近世は広瀬村のうちに小広瀬と称した村落もあったので、この辺りが中心かと思われる。

長享二年(一四八八)の諏訪社上社の春秋之宮造宮之次第の「外籬」の項に「拾壱間 広瀬庄 古今共ニ大使検校大夫神人八乙女衆十五人取之」とあり、天正六年(一五七八)の下諏訪春秋両宮御造宮帳(諏訪大社上社文書)に「秋宮外籬拾壱間造宮、落合領広瀬庄七郷 取手神子屋十五人、入山郷・上野郷・広瀬之郷・上屋郷・北南郷・桜郷・田多良是者七郷之内吉沢新曾、都合弐拾三貫文」とあり、同じく天正六年の下諏訪秋宮造宮帳(同文書)にも同様の記事がみえ、弘瀬庄の領域は旧芋井村の全域を包含したものであったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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