長野県北部、上水内郡(かみみのちぐん)にあった旧村名(戸隠村(むら))。現在は長野市北部の一地区。1957年(昭和32)柵(しがらみ)村と合併。2005年(平成17)、豊野(とよの)町、鬼無里(きなさ)村、更級(さらしな)郡の大岡(おおおか)村とともに長野市に編入。旧村域は、北を新潟県と接し、戸隠山、飯縄火山(いいづなかざん)に囲まれた高原地帯にあり、大部分は妙高戸隠連山国立公園域である。南部を流れる裾花(すそばな)川沿いに国道406号が通じ、飯縄山南麓(なんろく)を走る戸隠バードラインや県道もあり、長野市の中心街からはバスで40分の距離にある。戸隠神社を中心としてきた村で、中社を中心に典型的な宗教集落が形成され、宿坊、飲食店、土産(みやげ)物店が並ぶ。柵地区は純農村で、米作のほかタバコを栽培する。戸隠高原は高山植物が豊富で、戸隠森林植物園がある。ほかに戸隠スキー場、キャンプ場、牧場、戸隠そば博物館などがある。また、鬼無里地区との境にある荒倉山には、謡曲『紅葉狩(もみじがり)』の鬼女伝説の舞台となった岩屋がある。
[小林寛義]
『『戸隠』(1971・信濃毎日新聞社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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