律原発揮(読み)りつげんはっき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「律原発揮」の意味・わかりやすい解説

律原発揮
りつげんはっき

江戸時代初期の楽律書。和算家中根元圭 (1662~1733) 著。元禄5 (1692) 年刊。律,度,量,衡の4項から成る数学の概論書であるが,「」の音律を扱った項が特に日本における本格的楽律論の先駆として知られる。中国楽律の算出法である三分損益,中国と日本の音階相違などのほか,日本で初めての平均律理論が述べられている。

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世界大百科事典(旧版)内の律原発揮の言及

【雅楽】より

…これに対し,三方楽所が成立し治安も整った江戸時代の楽書《楽家録》は,全編が井然と構成され,ある種のゆとりさえ感じられる。 近世楽書のいま一つの特徴は音律論への強い関心であって,この系統のものとして中根元圭(璋)《律原発揮》(1692),中村惕斎(てきさい)《筆記律呂新書》,鈴木蘭園《律呂弁説》(1815)などがあり,漢学者,考証学者の活躍が目立つ。他方,国学者は古代歌謡の詞章注釈を盛んに行った。…

※「律原発揮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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