後天性vonWillebrand病

内科学 第10版 の解説

後天性von Willebrand病(後天性VWD)(循環抗凝固因子による出血傾向)

(2)後天性von Willebrand病(後天性VWD)
 後天性にvon Willebrand因子(VWF)が低下することにより出血傾向をきたす疾患で,高齢者に多い.ほとんどの症例でリンパ増殖性疾患,骨髄増殖性疾患,悪性腫瘍,自己免疫疾患などの基礎疾患がみられる.VWFの低下をきたす原因として,抗VWF抗体の出現による免疫学的機序のほか,消費の亢進,分解の亢進,腫瘍細胞表面への吸着など非免疫学的機序がある.出血症状は先天性VWDと同様で,鼻出血,皮下出血,口腔内出血,月経過多などがみられる.出血時間やAPTTは正常な例もあり,診断的価値は低い.第Ⅷ因子活性が低下するのは6割程度で,VWF抗原が正常な例もあり,本症の診断にはVWF活性の測定が必要である.[白幡 聡]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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