得も(読み)えも

精選版 日本国語大辞典 「得も」の意味・読み・例文・類語

え‐も【得も】

〘副〙 (副詞の「え」に意を強める助詞の「も」が付いて一語化したもの)
① あとに肯定表現を伴って用いる。ある事柄を評価して、あきれたものだとの気持でいう。よくもまあ…できる。
万葉(8C後)一八・四〇七八「恋ふといふは衣毛(エモ)名づけたり言ふすべのたづきもなきは我(あ)が身なりけり」
② あとに否定の表現を伴って用いる。よくも…できない。どうしても…できない。
蜻蛉(974頃)中「えも食ひやらぬ」

え‐し‐も【得も】

〘副〙 (副詞の「え」に、意味を強める助詞の「し」「も」が付いたもの) あとに否定の意味の表現を伴って、とてもまあ…できない、の意を表わす。
伊勢物語(10C前)二二「うきながら人をばえしも忘れねばかつ恨みつつ猶ぞ恋しき」

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