御宝売(読み)おたからうり

精選版 日本国語大辞典 「御宝売」の意味・読み・例文・類語

おたから‐うり【御宝売】

  1. 〘 名詞 〙 紙に摺(す)った宝船の絵を売り歩いた人。宝船売り
    1. [初出の実例]「今の子供たちは正月になっても宝船の絵をかいた初夢のお宝売りの声もしらないであろうかと思うと」(出典:かじけ猫(1957)〈奥野信太郎〉消え去った声)

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世界大百科事典(旧版)内の御宝売の言及

【宝船】より

…米俵,宝物,七福神が乗り,帆に宝と書いた船の絵で,縁起物とされた。江戸時代には,正月1日もしくは2日の夜に,枕の下に敷いて寝ると吉夢を見ることができると信じられ,お宝売と称して,〈お宝,お宝〉と叫びながらこれを売り歩く者があった。米俵,千両箱,扇子,松竹梅といっためでたい図柄が描かれ,〈なかきよのとおのねふりのみなめさめ なみのりふねのおとのよきかな〉という回文(かいぷん)(下から読んでも同じ文句)の歌が記されたものもある。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」