日本歴史地名大系 の解説
御府内往還其外沿革図書・御府内場末往還其外沿革図書
ごふないおうかんそのほかえんかくずしよ・ごふないばすえおうかんそのほかえんかくずしよ
半紙判(三三×二七センチ) 稿本 四四冊 幕府普請方 文化四年―文久三年 国立国会図書館・東京都公文書館蔵
解説 延宝年間以来の府内を、二〇〇―六〇〇メートル四方前後の約二五〇に区画して中心部と外周の場末とに分け、変遷の頻閑に応じ二―二〇の時期を選んで遡及し、謄写的に三千分の一前後の図帳とした。時間的変化を視覚化した世界地図史上に評価されるべき一大輯成である。複雑きわまりない町境界の正確な描写は唯一無二の精度だが、図ごとの縮尺方位は不同で、実際時期の板行図と対照して疑点もある。そしてこの化政期文化の回顧傾向は昌平黌の「御府内風土記」「新編武蔵風土記稿」とともに実務の普請方の地図にも大きな成果をあげたことをとくに注目したい。
複製 「江戸城下変遷図集」
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報