御留山(読み)おとめやま

精選版 日本国語大辞典 「御留山」の意味・読み・例文・類語

おとめ‐やま【御留山】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代林産物動物を取ることを禁止された山、または訴訟中の一定期間立入りを禁じられる山をいう。
    1. [初出の実例]「今俗にお留筆お留山(トメヤマ)お留焼など官の御許なくてはものせぬよしいへり」(出典随筆松屋筆記(1818‐45頃)六六)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御留山」の解説

御留山
おとめやま

留山(とめやま)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御留山の言及

【御林】より

…江戸時代,幕藩領主の管理下にあった保護林,または占有林の汎称であるが,公称としての御林は幕府の直轄林で,諸国御林帳に登録された保護林をいう。私藩の領主によって制定された御林は,御本山(弘前藩),御直山(秋田藩),御山(盛岡,福岡,小倉,臼杵,熊本の諸藩),御建山(水戸,福井,鳥取,松江,広島,山口,人吉の諸藩),御留山(名古屋,和歌山,高知の諸藩)などといい,あえて御林の称呼を避けるのが普通であった。これら公私の御林は,その制定目的によって(1)林業的な御林と(2)保安林的な御林とに大別される。…

【留山】より

…留山・留木は藩の資源保護制度とみてよい。盛岡藩では御用材のほかは伐採しないのを通則とし,仙台藩では他領との境界に近い御林を御留山(おとめやま)とし,軍事用材の調達予備地として禁伐とした。御留山のうちでも,付近の村民に保護を委託し,代償として,落枝,落葉の採取を認めているのもあり(土佐藩),いっさいの雑木,小柴の採取を禁止している場合もある(盛岡藩)。…

※「御留山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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