最新 地学事典 「徳和花崗岩」の解説
とくわかこうがん
徳和花崗岩
Tokuwa batholith
山梨県甲府盆地東縁部に位置し,甲府花崗岩体の中央~東部を占めて分布する新第三紀の花崗岩体で,さらに芦川,藤野木,笹子,広瀬,三宝,塩平などに細分されることがある。ジルコンU-Pb年代として,13.31±0.38〜13.66±0.34Ma(芦川),13.05±0.37Ma(藤野木),13.06±0.44Ma(笹子),10.46±0.29Ma(広瀬),10.31±0.54Ma(三宝),10.83±0.17Ma(塩平)が報告されている(Sawaki et al., 2020)。南北約42km, 東西約26km, 総露出面積約300km2を占める。おもに角閃石と黒雲母を含む中~粗粒の花崗閃岩~石英閃緑岩からなる。甲武信ヶ岳付近のものは大型の石英を含むほか,暗色包有物を含むことが多い。四万十層群と御坂層群中に非調和的に貫入し,接触部ではこれら堆積岩類に由来する黒雲母ホルンフェルスが最大で幅2km程度観察される。岩体内部は磁鉄鉱系で,堆積岩と接する岩体周縁部がチタン鉄鉱系花崗岩である。このことは,岩体周縁部では,母岩が頁岩と反応して還元され,チタン鉄鉱系花崗岩となったと解釈されている(清水正明,1984)。
執筆者:田結庄 良昭・斉藤 哲
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

