心凄し(読み)ココロスゴシ

デジタル大辞泉 「心凄し」の意味・読み・例文・類語

こころ‐すご・し【心凄し】

[形ク]人けがなくもの寂しい。いかにも気味が悪く恐ろしい。
「いと里離れ―・くて、海人あまの家だにまれに」〈須磨

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精選版 日本国語大辞典 「心凄し」の意味・読み・例文・類語

こころ‐すご・し【心凄】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 物さびしい。さびしくて心細い。また、人けがなく、気味が悪い。すさまじい。
    1. [初出の実例]「日ごろ物しつる人、今日ぞ帰りぬる。車の出づるを見やりて、つくづくとたてれば、木蔭にやうやういくも、いとこころすごし」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「夜更浪静って、松濤の風、芦花の月、旅泊の体、万づ心すごき折節」(出典:太平記(14C後)一一)
  3. すさまじさが身にしみるほど感動的だ。
    1. [初出の実例]「聞きわたりしかひありて、景色いと心すごし」(出典:東関紀行(1242頃)赤坂より橋本)

心凄しの派生語

こころすご‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

心凄しの派生語

こころすご‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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