気味(読み)キビ

  • きみ
  • ぎみ
  • 気▽味

デジタル大辞泉の解説

《「きみ」の音変化。また「び」は「味」の漢音とも》気持ち。心持ち。
「―が悪くって居ても起(た)っても居られませんもの」〈漱石・琴のそら音〉
ある事態や物事から受ける感じ。また、その感じた気持ち。きび。「気味が悪い」
「総て―のよい、きらびやかな、うつくしい、月は」〈二葉亭訳・めぐりあひ〉
いくらかその傾向にあること。「かぜの気味がある」
香りと味。
「喉(のど)渇き口損じて、―も皆忘れにけり」〈盛衰記・一一〉
物事の趣。味わい。→気味(ぎみ)
「閑居の―もまた同じ」〈方丈記
[接尾]名詞や動詞の連用形に付いて、そのような傾向やようすがある意を表す。「風邪気味」「焦り気味」「太り気味

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「きみ(気味)」の漢音よみとも、「きみ(気味)」の変化した語ともいう)
① 物のにおいと味。きみ。
※色葉字類抄(1177‐81)「気味 飲食部 キビ」
② おもむき。また、様子。きみ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・毛吹草(1638)六「よききびにかひしうつらの高音哉〈肥前衆〉」
③ 心持。気持。気分。きみ。
※虎明本狂言・萩大名(室町末‐近世初)「一口くふてみたひきびか有よ」
④ いくらかその傾向にあること。また、その傾向。きみ。
〘名〙
① 物のにおいと味。多く食べる物について用いられる。きび。
※海道記(1223頃)橋本より池田「水上の景色は彼も此も同けれども潮海の淡鹹は気味是異なり」
※源平盛衰記(14C前)一一「喉乾き口損じて、気味(キミ)も皆忘れにけり」 〔杜甫‐謝厳中丞送乳酒詩〕
② おもむき。けはい。風味。また、特に、深くてよい趣や味わい。きび。
※方丈記(1212)「閑居の気味もまた同じ」
※徒然草(1331頃)一七四「人事おほかる中に、道をたのしぶより気味ふかきはなし。これ実の大事なり」
※俳諧・三冊子(1702)赤双紙「酒にはげたる頭成らん 双六の目を覗出る日ぐれ方 気味(キミ)の句也。終日、双六に長ずる情以て、酒にはげぬべき人の気味を付たる也」 〔白居易‐寒食江畔詩〕
③ 心身に感じること。また、その感じた心持。気持。きび。多く、「良い」「悪い」を伴って用いられる。
※歌舞伎・傾城壬生大念仏(1702)上「小判一万両、おお、よいきみよいきみ」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「何か可厭(いや)な事のあるのを裹(つつ)むのではあるまいかと気味(キミ)を悪がって」
④ いくらかその傾向にあること。また、その傾向。かたむき。きび。
※志都の岩屋講本(1811)上「薬の病にきく処は呪禁(まじなひ)の気味が有る故」
〘接尾〙 名詞や、動詞の連用形に付いて名詞、形容動詞をつくり、そのような様子、傾向にあることを表わす。…の様子。「かぜ気味」
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉下「前方へ曲(こご)み気味に、叔父をよく見ようとするやうな眼付をした」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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