心史(読み)しんし(英語表記)Xīn shǐ

改訂新版 世界大百科事典 「心史」の意味・わかりやすい解説

心史 (しんし)
Xīn shǐ

中国,宋末・元初の鄭思肖(1241-1318)の著。滅亡した宋を思慕する詩文の集で,末尾の〈大義略叙〉は滅亡の経過を微細にしるす。明末に井戸の底から発見され,鉄の函に収めてあったので《鉄函(てつかん)心史》とも呼ばれる。鄭思肖は連江の人,蘇州に住み詩文,書画名声があり,蘭を描いて土を描かず,裸根蘭と評判になった。土は蛮族に奪われたとの意。《心史》のほかに《鄭所南先生文集》《所南翁一百二十図詩集》各1巻がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android