心史(読み)しんし(その他表記)Xīn shǐ

改訂新版 世界大百科事典 「心史」の意味・わかりやすい解説

心史 (しんし)
Xīn shǐ

中国,宋末・元初の鄭思肖(1241-1318)の著。滅亡した宋を思慕する詩文の集で,末尾の〈大義略叙〉は滅亡の経過を微細にしるす。明末に井戸の底から発見され,鉄の函に収めてあったので《鉄函(てつかん)心史》とも呼ばれる。鄭思肖は連江の人,蘇州に住み詩文,書画名声があり,蘭を描いて土を描かず,裸根蘭と評判になった。土は蛮族に奪われたとの意。《心史》のほかに《鄭所南先生文集》《所南翁一百二十図詩集》各1巻がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 村上

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android