心愛(読み)こころうつくし

精選版 日本国語大辞典 「心愛」の意味・読み・例文・類語

こころ‐うつくし【心愛】

〘形シク〙 (心が、人にかわいさや親しみを感じさせるようなさまにいう)
相手心根が可愛い。気持がいとしい。
万葉(8C後)一四・三四九六「橘の古婆(こば)のはなりが思ふなむ己許呂宇都久思(ココロウツクシ)いで吾(あれ)は行かな」
② やさしく暖かい心がある。すなおで親しみが持てる。
伊勢物語(10C前)一六「人がらは心うつくしく、あてはかなることを好みて」
③ (連用形を副詞的に用いて) 程度が甚だしいさまを表わす。とても。ひどく。
※竹むきが記(1349)上「この筥のつつみも組も心うつくしう切れ破れて、過ちもありぬべければ」
こころうつくし‐げ
〘形動〙
こころうつくし‐さ
〘名〙

うら‐め・ず ‥めづ【心愛】

〘他ダ下二〙 (「うら」は「こころ」の意) 心の中で愛する。
※輔親集(1038頃)「かたしけるをみの衣のうらめでてけさの日影はまばゆかるらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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