必佐郷(読み)ひつさごう

日本歴史地名大系 「必佐郷」の解説

必佐郷
ひつさごう

和名抄」は諸本とも訓を欠くが、「延喜式」神名帳に記す蒲生郡一一座の一つ「比都佐ヒトサ神社」は郡内日野町の比都佐ひつさ神社に比定され、「日本書紀」天智天皇九年(六七〇)二月条にみえる「蒲生郡の匱野」からもヒツサとするのが妥当であろう。地名としてのヒツサの登場は右のように早く、少なくとも七世紀後半にまでさかのぼりうるが、郷名は弘安六年(一二八三)二月一三日の藤原泰俊所帯名田等譲状(出雲蒲生文書)にみえる。久安三年(一一四七)四月一七日の東大寺印蔵文書目録(東南院文書)に「必佐庄検田帳一通貞観十三年」とある必佐庄は当郷の庄園化したもので、のちの比佐庄と同じものかもしれない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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