日本歴史地名大系 「忍阪三号墳」の解説
忍阪三号墳
おつさかさんごうふん
出土遺物は、銀環二、鉄刀子二、鉄鏃一〇、鉄製石突八、鉄釘二四、須恵器坏蓋二、坏身三、壺蓋一、壺二、台付長頸壺二、一、高坏二、器台一、土師器碗三、無頸壺二、把手付碗一であるが、土器類の遺存状態は良好で、ほぼ完形に近い土器が埋納時の位置に近い状態を保っていた。すなわち、石室の奥壁北東隅には受部に須恵器を載せた器台が正立状態で置かれ、脚部付近には須恵器高坏と器台付長頸壺も立てて置かれていた。隣接して奥壁中央部には須恵器壺が二個置かれ、須恵器蓋が伏せられていた。つまりこの一角には須恵器のみ、しかも坏などを含まない器台・壺の類を置いている。またこれらはすべて正立状態で置かれていた。次に西に接して碗三、小型壺二の土師器が一括して出土し、碗のうち一個だけは伏せられていた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報