日本歴史地名大系 「思古淵神社」の解説 思古淵神社しこぶちじんじや 京都市:左京区久多村思古淵神社[現在地名]左京区久多中の町久多(くた)中央部の久多川河畔に位置する。祭神は志古淵(しこぶち)神で、一般的には志古淵神社と記す。志古淵神は、久多川が合流して琵琶湖へ流入する安曇(あど)川流域一円の地主神であったとされる(京都府愛宕郡村志)。天福元年(一二三三)の久多荘田代注進状(岡田浩佐家文書)には「上宮敷地三段」「下宮敷地二段」のほか、四月および一一月の「二度祭田」、三月三日の「下宮節供」など当社の社領や料田の記述がみえ、文和五年(一三五六)一月の鎌鞍(かまくら)峰をめぐる久多荘と葛川(かつらがわ)(現滋賀県大津市)の境相論では、久多の住人よりこの峰が「信興淵明神所被載縁起」(葛川明王院史料)と主張され、当社に創建を説く縁起のあったことが知られる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報