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無形文化財 むけいぶんかざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無形文化財
むけいぶんかざい

雅楽,能楽,文楽,歌舞伎,邦楽,民俗芸能などの演劇,音楽,あるいは陶芸,漆芸,染織,金工,木工,竹工などの伝統的工芸技術その他で,作品を生み出す技術そのもので,歴史上,芸術上価値の高いものをいう (文化財保護法2条1項2号) 。 1954年以後,文化財保護法に基づいて特に重要なものを重要無形文化財として,文部大臣がその技術の保持者を指定し,保護している。重要無形文化財の保持者は人間国宝と呼ばれている。

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デジタル大辞泉の解説

むけい‐ぶんかざい〔‐ブンクワザイ〕【無形文化財】

演劇・音楽・工芸技術その他の日本の無形の文化的所産で、歴史上または芸術上価値の高いもの。そのうち特に重要なものを文部科学大臣重要無形文化財として指定し、併せてその保持者または保持団体を認定する。保持者を俗に人間国宝という。⇔有形文化財

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百科事典マイペディアの解説

無形文化財【むけいぶんかざい】

演劇,音楽,工芸技術その他の文化的所産。美術工芸,建造物等有形文化財の対。無形文化財の保護のため,記録(映画,レコード採譜等)の作成と伝承者の養成,工芸作品の買上げが行われている。

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大辞林 第三版の解説

むけいぶんかざい【無形文化財】

文化財保護法上の文化財の一。日本の伝統的な芸能や工芸技術など、無形の文化的所産で、歴史上または芸術上価値の高いもの。重要なものは文部科学大臣が重要無形文化財に指定し、その保持者(=人間国宝)または保持団体を併せて認定する。 ↔ 有形文化財

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無形文化財
むけいぶんかざい

文化財保護法(1950)によると、無形文化財とは「演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの」と定義づけられている。これは建造物、絵画、彫刻、工芸品などの有形文化財に対して無形文化財と命名しているのである。有形文化財が「物」をさしているのに対し、無形文化財は芸能や工芸技術などのように演技や制作技術など、特定の個人や集団が相伝し、体得している無形の「技(わざ)」そのものをさしている。その技を体得している「人」や「人の集団」をさしているものではない。
 無形文化財のなかでとくに重要なものを文部科学大臣は重要無形文化財として指定することができる。この場合には重要無形文化財に指定される無形の「技」の存在を具体化するため、その技を高度に体現できる人、またはその技に精通している人、または前記の人や集団を保持者または保持団体として認定しなければならない。この保持者のことを「人間国宝」といっているが、俗称である。1955年(昭和30)の最初の指定以来、2007年(平成19)5月までに通算312人(重複認定者を含むため実人員は309人)が指定されている。指定保持者が死亡したとき、または指定保持団体が解散等により保持が適当でなくなったときは、指定が解除される。
 なお、無形の技術のうち文化財の保存のために欠くことができない伝統的技術または技能で、保存の措置を講ずる必要があるものを「選定保存技術」として選定し、選定された技術の保持者または保存団体を認定している。この「技」も無形文化財の一つである。2007年3月時点で保持者50人、保存団体は24(実団体件数22)である。
 なお、1975年の文化財保護法の改正で、従来の「民俗資料」は「民俗文化財」という名称に改められ、民俗芸能はそれまで無形文化財の芸能部門に属していたが、以後は無形の民俗文化財として取り扱われ、無形文化財の範疇(はんちゅう)には入れていない。
 保持者の認定は、以下のものが対象となっている。
(1)指定された技を高度に体現・体得している者。
(2)指定された技を正しく体得し精通している者。
(3)芸能の場合で、2人以上のものが一体となってそれらの技を高度に体現できる者(歌舞伎(かぶき)、雅楽など)。工芸技術の場合で、共通の特色を有する高度な技術を体得している2人以上の者が構成する団体の構成員。
(4)芸能または工芸技術の性格上、保持者とすべき者の技に個人的特色が薄く、かつ保持者とすべき者が多数である場合(手漉(てすき)和紙、結城紬(ゆうきつむぎ)など)において、これらの者が主たる構成員となっている団体。
 (1)(2)は個人を保持者とし各個認定といい、(3)は総合認定、(4)は保持団体認定という。2006年4月現在、各個認定は83件で、その保持者は114(実員113)人、総合認定は11件、11団体、保持団体認定は14件、14団体である。
 重要無形文化財保護のため、国は保持者に重要無形文化財保存特別助成金を交付し、保存を適当と認める団体が行う保存事業に補助金を交付し、また国自ら記録の作成、資料・作品の購入などを行っている。さらに、重要無形文化財以外の無形文化財のうち、貴重なものを選択し記録保存等の措置を講じている(選択無形文化財)。[榎本由喜雄]

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世界大百科事典内の無形文化財の言及

【文化財】より


[文化財の種類]
 文化財は人工文化財と自然文化財に大別される。人工文化財はまた,動産文化財,不動産文化財,および無形文化財,民俗文化財に分けられる。(1)動産文化財 彫刻,絵画,書跡,陶磁器,金工品,漆芸品,考古資料などのいわゆる美術工芸品といわれるもの,各種古文書,美的価値よりも学術的価値に重きをおいた地図類や,歴史上の著名な人物の遺品などの歴史史料等からなる。…

※「無形文化財」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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