左京区(読み)サキョウク

デジタル大辞泉 「左京区」の意味・読み・例文・類語

さきょう‐く〔サキヤウ‐〕【左京区】

左京

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日本歴史地名大系 「左京区」の解説

左京区
さきようく

面積:二四七・三九平方キロ

京都市の北部から東北部にあたり、北に三国みくに岳がそびえ、その東にかけて滋賀県高島たかしま朽木くつき村、その西に京都府北桑田きたくわた美山みやま町、東は比良山地で滋賀県大津市から滋賀郡志賀町まで、また西は府下北桑田郡京北けいほく町と境を接し、南北に長い。区内の大部分は山地であるが、京都市の約二五パーセントという最大の面積を有する。大原おおはら北部に水源をもつ高野たかの川は区内最大の河川であり、そのほか岩倉川をはじめ多くの小河川がわずかな平野部を潤している。平野部の地質は大部分、花崗岩砂を含む礫質砂層で、かも川やその上支流が形成した扇状地、あるいは北白きたしら川扇状地で形成されている。

〔原始〕

これらの扇状地には縄文期より弥生期にかけての遺跡が発見されており、京都盆地中でも早くから開発が進められていたことを知る。特に北白川遺跡群一乗寺向畑いちじようじむかいばた町遺跡などからは、縄文早期の遺物も発見されており、また上終かみはて町遺跡からは火熱で赤く焼けた炉跡や、柱穴と判断される小穴が発掘され、この時期の区内唯一の住居遺跡として注目される。

縄文期の稲作を物語る遺物は発見されていないが、弥生前期、白川扇状地水稲耕作を行う人々の集落が形成され、その耕地化が進められていたらしく、京大理学部構内など、二、三の遺物が発見されている。五世紀後半から六世紀末にかけて、区内においても古墳が築造され、岩倉いわくら幡枝はたえだ古墳や松ヶ崎まつがさき西山古墳群などが判明している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「左京区」の意味・わかりやすい解説

左京〔区〕
さきょう

京都府京都市北東部を占める区。1929年上京区から分区して新設。その後周辺の村を合わせて範囲が拡大。賀茂川(→鴨川)を挟んで北区,上京区に,ほぼ三条通を挟んで東山区に,北西部で右京区に接する。東部は東山連峰,北部は丹波山地の一部を含む。区内には,平安神宮慈照寺南禅寺禅林寺賀茂御祖神社曼殊院寂光院三千院鞍馬寺などの寺社があり,それぞれ貴重な文化財を所蔵国宝および名勝史跡数多い京都大学,国立京都国際会館,京都国立近代美術館,植物園,動物園,岡崎公園などの文化観光施設も多い。南部の蹴上(けあげ)には,琵琶湖疏水開通(1890)に伴って建設された日本最初の水力発電所がある。修学院,八瀬大原鞍馬貴船など散策コースもあり,かつて市街地へ花や柴を売り歩いた大原女,白川女といった風俗も知られている。中西部にある出町柳は叡山電鉄,京阪電気鉄道京阪本線の発着点。面積 246.77km2。人口 16万6039(2020)。

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