息下(読み)いきのした

精選版 日本国語大辞典 「息下」の意味・読み・例文・類語

いき‐の‐した【息下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 多く「に」を伴った形で )
  2. 重病臨終の際の息もたえだえの状態をいう言葉。多くは、虫の息で、ものいう声のかすかなさま。
    1. [初出の実例]「御心地はいかがおぼさるると問へば、いきのしたにて、物はすこし覚ゆれど」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「入道相国〈略〉まことにくるし気にて、いきの下にの給ひけるは」(出典:平家物語(13C前)六)
  3. 息をひそめて、小声でものをいうさま。つらさの中で、やっとものをいうさま。
    1. [初出の実例]「などかくは宣ふぞといへば、胸のいたく侍ればといきのしたにいふ」(出典:落窪物語(10C後)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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