化学辞典 第2版 「感熱記録」の解説
感熱記録
カンネツキロク
thermographic recording
発熱体によって記録材料表面を走査し,文字,画像に応じた局所的な加熱で記録を行う方式をいう.発熱体(サーマルヘッド)に並べられた抵抗体に,入力信号に応じてパルス電流を流して発生するジュール熱で記録する.この記録方式は,熱を与えると発色する感熱紙を用いる直接感熱記録と,熱によって特殊なインクリボンのインクが受像紙に転写する感熱転写記録に大別され,感熱転写記録は溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる.感熱記録には以下のような利点がある.
(1)記録方式が簡便.
(2)記録材料以外の消耗品が不要.
(3)高画質の画像を得ることができる.
この特徴を生かし,ファクシミリ,簡易複写などのほか,デジタル写真画像の印画にも使われている.再加熱で発色(直接感熱の場合)するという欠点があるが,光定着型の感熱記録材料も開発されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報