感熱転写記録(読み)カンネツテンシャキロク

化学辞典 第2版 「感熱転写記録」の解説

感熱転写記録
カンネツテンシャキロク
thermal transfer recording

感熱記録方式の一つ.色材を塗布したシートと受像紙とを重ねて熱を加え,受像紙への色材の転写によって画像を記録する.カラー画像の記録も可能であり,デジタルカメラ画像の印画にも使われる.プリンターの仕様はほとんど同じであるが,転写プロセスの異なる昇華転写と溶融転写とに大別される.昇華転写方式では,色材層中の染料分子が昇華,移動し,受像紙に転写されるが,染料保持層の母体は転写されない.転写には熱のみが関与する.溶融転写方式では,熱によって色材層が軟化,溶融し,色材(カーボンブラック有機顔料など)のみでなくバインダーも含めた色材層全体が転写される.色材シートと受像紙とをはく離する際には,受像紙と接着した部分と,していない部分との境界で色材層が切り裂かれる.そのため,転写には熱のみでなく機械的な力も関与する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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