プリンター(読み)ぷりんたー(英語表記)printer

翻訳|printer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリンター」の意味・わかりやすい解説

プリンター
ぷりんたー
printer

コンピュータ内部のコード化されている情報を人が目で見ることができる形で用紙に印字する装置。印字装置ともいう。機械的衝撃を用いるインパクトプリンターと、それを用いないノンインパクトプリンターがある。

[土居範久]

インパクトプリンター

1行分の文字を単位として印字するラインプリンター(行印字装置)と、一度に1個の文字を印字するシリアルプリンターがある。インパクトラインプリンターは、回転するドラムまたはベルト上に植えられた活字インクリボンを介してハンマーでたたいて印字する。ハンマーの正面の活字位置と制御回路との間で照合を行い、出力すべき印字内容と一致したときにハンマーを励磁して印字するのである。活字を用いずにドットの集まりで文字を表現するものもある。横9×縦7ドットが一般的であるが、5×7、7×7、7×9などもある。漢字を含めたものでは、24×24、32×32、48×48のドットが使われている。英字、数字(およびカナ)だけのラインプリンターの1行は普通132字であり、印字速度は1分当り100行から3000行程度である。

 シリアルインパクトプリンターは1字ずつ順に機械的衝撃により印字するもので、印字速度は1秒当り10字から250字程度である。あらかじめ決められた字形をもつ印字ヘッドをインクリボンを介してそのまま用紙に機械的にぶつけて印字する方式のものと、縦に1列に並んだ細いピンを印字ヘッドとして用い、これを用紙に機械的にぶつけながら横に移動させ印字するドットマトリックス方式のものがある。後者の場合、字形はピンで印字するドットの組合せで決める。

[土居範久]

ノンインパクトプリンター

感熱紙を用いる感熱式プリンター、インクをノズルから噴出させて粒子化し、その飛行粒子に与える荷電量を制御し、一定電界中を通過させ偏向させることにより字形を形成するインクジェット式プリンター、特殊なインクリボンを用い、感熱ヘッドでインクを普通紙上に転写する熱転写式プリンター、静電記録紙にトナーを付着させ加熱定着させる静電式プリンター、感光体を感光させ、それをトナーで現像したものを用紙に転写し定着させる電子写真式プリンターがある。電子写真式プリンターは、1ページを単位として印字するページプリンターである。電子写真式で感光体を感光させるのにレーザー光を用いるものを、一般にレーザープリンターとよぶ。ノンインパクト方式はインパクト方式に比べ、印字速度がきわめて速い。

[土居範久]

『情報処理学会編『新版情報処理ハンドブック』(1995・オーム社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例