転写(読み)てんしゃ(英語表記)transcription

翻訳|transcription

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

言語学用語。音声言語文字で表わすこと。音声記号を用いてなるべく精密に表記する音声学的転写,音素表記する音韻論的転写,正書法で表記するやり方などに分けられ,それぞれ目的に応じて使い分けられる。なお,ある文体系から別の文字体系への書換え (たとえば,かなからローマ字へ) は,翻字と呼んで,区別する。
デオキシリボ核酸 DNAの遺伝情報がリボ核酸 RNAに写し取られること。すなわち DNA二重螺旋での塩基の対応と同様に,DNAの塩基の一次構造が RNAの塩基の相補的な一次構造となる。ただし DNAのチミンに対して RNAではウラシルが使われている。最初は DNAに依拠してのメッセンジャーRNAの合成に対して転写の語が使われたが,転移RNAリボソームRNAも DNAの一次構造から直接に相補的につくられることがわかり,これらの場合も転写と呼ばれるようになった。

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大辞林 第三版の解説

スル
他の書物・図版などから写し取ること。 原本から-する
transcription DNA のヌクレオチド配列を相補的 RNA に写し取る反応。遺伝子の遺伝情報に基づくタンパク質合成反応の第一段階。 → 逆転写
transcription 何らかのテキストを、音韻論的もしくは音声学的な解釈を加えた上で、体系的に別の文字で書き換えること。単なる機械的な書き換えとは区別される。 → 翻字
磁気録音テープ・ VTR テープなどが巻き付けられたまま保存されることにより、重なり合った部分の信号が混ざり込む現象。音質や画質劣化の原因となる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 文章、絵、図などをそのまま他に写し取ること。他から写し取ること。
※続日本紀‐宝亀一〇年(779)九月戊子「依旧籍、転写并顕不在之由」 〔顔師古‐前漢書敍例〕

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