精選版 日本国語大辞典 「懲ろす」の意味・読み・例文・類語
ころ・す【懲】
- 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
- ① =こらす(懲)①〔色葉字類抄(1177‐81)〕
- [初出の実例]「今よりのち、かくのごとくあやしきこといはむ者をば、ころさしむべきものなり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一五)
- ② =こらす(懲)②
- [初出の実例]「足懲 足がこるるのみぞ。江家にはこらす、菅家にはころすと云点ぞ」(出典:土井本周易抄(1477)三)
懲ろすの語誌
( 1 )自動詞上二段活用「懲る」の他動詞形。「殺す」と同系の語とする説もあるが、アクセントが異なる(懲ろす 平平上、殺す 上上平)ので、別語と考えるべきか。
( 2 )漢文訓読に特有の語で、和文には見られない。「打聞集‐釈迦如来験事」の「今ころしむべきなりとて、獄に坐られぬ」などに見える「ころしむ」は、「懲す」の使役形。