懶い（読み）ものぐさい

精選版 日本国語大辞典

もの‐ぐさ・い【懶・物臭】

1. 〘 形容詞口語形活用 〙
   [ 文語形 ]ものぐさ・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 古くは「ものくさし」 )
2. ① 何となくくさい。どこからともなく嫌なにおいがする。
   1. [初出の実例]「女君は、程ふるままに、物くさき部屋に臥して」(出典：落窪物語（１０Ｃ後）一)
3. ② 何となく怪しい。疑わしげである。くさい。
   1. [初出の実例]「端々の都合あはずと見ゆるは、如何様物ぐさき仕出しと」(出典：浮世草子・古今堪忍記（1708）七)
4. ③ 物事をするのがおっくうである。めんどうである。大儀だ。わずらわしい。気が進まない。
   1. [初出の実例]「この碁ものぐさしとて立ち給にけりとかや」(出典：今鏡（1170）九)
5. ④ 病気で気分がすぐれない。体の具合が悪い。
   1. [初出の実例]「体中不_レ佳時とは、ちっと物(もノ)ぐさい時に易をみると云ぞ」(出典：寛永刊本蒙求抄（1529頃）八)
6. ⑤ とるにたりない。問題にならない。しゃらくさい。
   1. [初出の実例]「今はむかふかたきのあらされは、ええ、物くさいいくさ哉」(出典：幸若・高たち（室町末‐近世初）)

懶いの派生語

ものぐさ‐が・る

1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙

懶いの派生語

ものぐさ‐げ

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

懶いの派生語

ものぐさ‐さ

1. 〘 名詞 〙

出典　精選版 日本国語大辞典