戴望舒(読み)たいぼうじょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戴望舒」の意味・わかりやすい解説

戴望舒
たいぼうじょ / タイワンシュー
(1904―1950)

中国の詩人。本名戴夢鴎(たいむおう)。浙江(せっこう)省杭県出身。震旦(しんたん)大学卒業後フランスに留学。帰国後雑誌『現代』に参加、1932年以降その中心詩人として活躍。江思(こうし)、艾昂甫(がいこうほ)などの筆名ももつ。彼の詩は30年代の中国インテリの行き場のない悲哀感を表現した。留学中の通信で「第三種人」を提唱し、魯迅(ろじん)の厳しい批判を受けた。詩集に『望舒草』(1932)、『望舒詩稿』(1937)、『災難歳月』(1948)、『戴望舒詩選』(1957)など。ほかに翻訳『法国(フランス)短篇文芸精選』(1940)などがある。

[秋吉久紀夫]

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