打ち緩ぶ(読み)うちゆるぶ

精選版 日本国語大辞典 「打ち緩ぶ」の意味・読み・例文・類語

うち‐ゆる・ぶ【打緩】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 バ四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
    1. 穏やかになる。ゆとりができる。安心する。
      1. [初出の実例]「世と共に、この君につけては、物をのみ思ひ乱れしけしきの、すこしうちゆるびて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)
    2. 心を許す。油断する。
      1. [初出の実例]「かく見馴れぬる年頃のしるしに、うちゆるぶ心もありぬべきを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 バ下二段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
    1. しまりをゆるくする。ゆるめる。
      1. [初出の実例]「それにかへつる命にて、しれじれしき名をも、ながしつべしやと、うちゆるべさせ給ふに」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)三)
    2. 寛大にする。大様(おおよう)にする。
      1. [初出の実例]「あまりむげにうちゆるべ、見放ちたるも、心安く、らうたきやうなれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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