打ち背く(読み)うちそむく

精選版 日本国語大辞典 「打ち背く」の意味・読み・例文・類語

うち‐そむ・く【打背】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
    1. 背を向ける。そっぽを向いている。遠ざかり離れる。
      1. [初出の実例]「黄なる泉におり立ちて、いさごの波をうちそむき」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
    2. 出家する。隠遁する。
      1. [初出の実例]「心安きさまにうちそむきてばやとおぼせど」(出典:苔の衣(1271頃)一)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 武器で打ってわきにそらす。うちはずす。
      1. [初出の実例]「氏範太刀を平めて打背(ソム)け」(出典太平記(14C後)三二)
    2. ( 「うち」は接頭語 ) よその方へ向ける。
      1. [初出の実例]「赧(あから)む顔を打背けて」(出典:不言不語(1895)〈尾崎紅葉〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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