打平(読み)うちひらめ

精選版 日本国語大辞典 「打平」の意味・読み・例文・類語

うち‐ひらめ【打平】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 薄く平らに延ばしたもの。
    1. [初出の実例]「丸ぐけの帯もうちひらめになり、幅狭き帯の一きは広きを用ゆ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一四)
  3. 品質の劣った小形の銭貨をつちで打って大形の銭貨の大きさに平たく延ばした粗悪貨。室町末期、戦国時代に流通した。
    1. [初出の実例]「さかひ銭とこうふ銭〈なわ切の事也〉、うちひらめ、此三いろをばえらふべし」(出典:大内氏掟書‐六二条・文明一七年(1485)四月一五日)
  4. へぎ板を折り曲げて四方を囲んだ盆。折敷(おしき)
    1. [初出の実例]「うちひらめに置てとは、へぎの事なり」(出典:随筆・関秘録(1761‐64頃か)五)
  5. ありきたりの平凡なもの。また、平易にしたもの。
    1. [初出の実例]「身を捨てて、うちひらめを申すなり」(出典:吾妻問答(1467頃))
  6. 特に連歌で、句や言葉が俗悪・下品であること。また、そのような句や言葉。
    1. [初出の実例]「我馮むはうちひらめのやうなれば被直たるにや」(出典:古今私秘聞(1508)一七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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