打煙(読み)うちけぶる

精選版 日本国語大辞典 「打煙」の意味・読み・例文・類語

うち‐けぶ・る【打煙】

〘自ラ四〙 (「うち」は接頭語。「うちけむる」とも)
① 煙、霞、もやなどがたちこめる。
※橘守部家集(1854)冬「うちけぶるあたりは雪も消るかとよそめのどけき峰の炭がま」
② 薄くかすんで見える。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「御まへの木の芽のうちけぶりたるを見給て」
③ ほんのりと美しく見える。
源氏(1001‐14頃)若紫「つらつきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり」
抒情詩(1897)いつ真て草〈嵯峨之屋御室〉おさなご「燈火の影に見れば うちけむる眉の匂ひ、露たるる頬の笑顔

うち‐けむ・る【打煙】

〘自ラ四〙 ⇒うちけぶる(打煙)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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