打眺・打詠(読み)うちながめる

精選版 日本国語大辞典 「打眺・打詠」の意味・読み・例文・類語

うち‐なが・める【打眺・打詠】

〘他マ下一〙 うちなが・む 〘他マ下二〙 (「うち」は接頭語)
[一] (打眺)
① 何を見るともなくつくづくと物思いにふける。すっかり思い沈む。
伊勢物語(10C前)二三「この女いとよう仮粧(けさう)じて、うちながめて」
② はるか遠くを見渡す。展望する。また、じっと見つめる。
仮名草子竹斎(1621‐23)下「南に立出て、三保の松原うちながめ」
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「姑くお春の顔を打眺めて居たりしが」
[二] (打詠) 声を長々と引いて詩歌を吟詠する。
※高倉院升遐記(1182)「石もこけむして、『なにがしがつかに草初めて青し』とうちながめられて」

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