雪中梅(読み)せっちゅうばい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「雪中梅」の解説

雪中梅
せっちゅうばい

末広鉄腸の小説。 1886年発表。角書「政治小説」。自由民権の思想を穏健な社会改良によって推進したいと考えている国野基 (もとい) は,たまたま過激な民権運動家武田猛と親しかったために官憲に捕えられる。しかしこの事件がきっかけとなって国野は共鳴者のお春とのロマンスを結実させることができた。全編を通じ漸進的社会改良主義者としての作者の主張が語られ,矢野龍渓の『経国美談』,東海散士の『佳人之奇遇』とともに三大政治小説の一つに数えられた。なおこの小説の続編に『花間鶯』 (1887~88) がある。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション「雪中梅」の解説

せっちゅうばい【雪中梅】

新潟の日本酒。「越乃寒梅」「峰乃白梅」と並び「越後三梅」として知られる。淡麗辛口が主流新潟酒にあって、芳醇甘口の味わいが特徴。吟醸酒本醸造酒普通酒などがある。全国新酒鑑評会で受賞実績多数。原料米は五百万石、山田錦など。仕込み水は蔵内の自家井戸水。蔵元の「丸山酒造場」は明治30年(1897)創業所在地は上越市三和区塔ノ輪。

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精選版 日本国語大辞典「雪中梅」の解説

せっちゅうばい【雪中梅】

政治小説。末広鉄腸作。明治一九年(一八八六)刊。青年志士国野基と彼を助ける富永お春との恋を中心に、自由民権運動の苦難と成功を諷諭(ふうゆ)的に描く。続編として「花間鶯」がある。

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旺文社日本史事典 三訂版「雪中梅」の解説

雪中梅
せっちゅうばい

明治中期,末広鉄腸の政治小説
1886年刊。2巻。青年政治家国野基 (くにのもとい) が自由民権運動に活躍美女と結ばれるという

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世界大百科事典 第2版「雪中梅」の解説

せっちゅうばい【雪中梅】

末広鉄腸政治小説。1886年(明治19)8月に上編,11月に下編を刊行。在野の青年政治家国野基(くにのもとい)の演説に感動した富永お春は,資金を送って彼の政治活動を援助する。国野は過激派嫌疑で投獄され,お春も叔父奸計により国野の属する政党領袖と結婚させられそうになる,などの苦難の後,2人は親のきめた許婚者であることがわかって結ばれ,国野はお春の財産を得て国事に奔走する。資産ある者が政治にたずさわるべきだというブルジョア的政治思想を,人情本的ストーリーに託して描いたもの。

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世界大百科事典内の雪中梅の言及

【政治小説】より

…《佳人之奇遇》についであらわれた政治小説は,民権運動の敗北と国会開設への楽天的な期待を背景に,政治的主張はうすめられ,写実的な傾向が目立つようになった。この人情的,風俗的な傾向の作品としては,末広鉄腸の《政治小説 雪中梅》(1886)がよく知られている。政治小説は,古風な漢文調の文体や類型的な人物描写を脱しきれなかったために,自由民権運動が終息した90年ごろから急速にジャンルとしての活力を失っていく。…

※「雪中梅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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