振り出づ(読み)フリイズ

デジタル大辞泉 「振り出づ」の意味・読み・例文・類語

ふり‐い・ず〔‐いづ〕【振り出づ】

[動ダ下二]
振りすてて出る。振りきって行く。
「その日しも京を―・でて行かむも」〈更級
声を張りあげる。
鈴虫の―・でたるほど、はなやかにをかし」〈・鈴虫〉
べにを水にとかして染める。
「紅の―・でつつなく涙にはたもとのみこそ色まさりけれ」〈古今・恋二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「振り出づ」の意味・読み・例文・類語

ふり‐い・ず‥いづ【振出】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙 振り棄てて出る。思いきって出て行く。ふりず。
    1. [初出の実例]「袖ひちてひさしくなれば冬中にふりいでてゆくとふがあふやと」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
    1. (べに)を水に振り出してものを染める。ふりず。
      1. [初出の実例]「紅のふりいでつつなく涙にはたもとのみこそ色まさりけれ〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・五九八)
    2. 声を高く張り上げる。声をふりしぼって出す。ふりいだす。
      1. [初出の実例]「思ひいづるときはの山の郭公唐紅のふりいでてぞなく〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)夏・一四八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android