捏上(読み)こねあげる

精選版 日本国語大辞典 「捏上」の意味・読み・例文・類語

こね‐あ・げる【捏上】

〘他ガ下一〙
① よくこね合わせて作りあげる。十分にこねる。
※明治卅三年十月十五日記事(1900)〈正岡子規〉「四寸許の高さの首なるがこは自分の顔を鏡に写しながら二日を費して捏ねあげし者なれど」
物事をあれこれいじくりまわして、むりにつくり上げる。でっちあげる。
※冬の宿(1936)〈阿部知二〉五「あの人の真実ぢゃなくて、君が勝手に心の中で捏(コ)ねあげた『或る女』の像なのかい」

でっち‐あ・げる【捏上】

〘他ガ下一〙 ないことをあるように作りあげる。むりに作りあげる。捏造(でつぞう・ねつぞう)する。
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉犬物語「妄想をデッチ上げた恋愛小説でも作って」
日本人へそ(1969)〈井上ひさし〉第一幕「間に合せにでっち上げた小道具

でっち‐あげ【捏上】

〘名〙 ないことをあるように作りあげること。また、その作りあげた物事。捏造(でつぞう・ねつぞう)
※第2ブラリひょうたん(1950)〈高田保右翼左翼「『でっち上げ』は右翼の方策だそうだ。『つるし上げ』の左翼手法といい対照になるが」

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