出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
劇作家,演出家,作家,エッセイスト。茨城県新治郡土浦に生まれ,1917年早稲田大学卒後,浅草公園の興行街で生活,戯曲に精進し,22年《案山子(かかし)》が帝国劇場の戯曲懸賞に当選,昭和初期には劇作家としての地位を確立した。29年新築地劇団に加わり,プロレタリア戯曲家として活躍したが,特高の弾圧で転向,戦時中は商業演劇に入った。第2次大戦後は結核療養ののち,48年から51年まで《東京日日新聞》に《ブラリひょうたん》を連載,当時の政治,社会,風俗を鋭く風刺した名コラムとして高く評価されたが,病が癒えず,52年死去した。戦時中,新聞記者として上海に従軍したが,半日で逃げ帰ったというような,人間的なエピソードの持主でもあった。《高田保著作集》全5巻(1952)がある。
執筆者:紀田 順一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
劇作家、演出家、小説家、随筆家。茨城県生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科在学中より新劇運動に参加。卒業後半放浪生活を送ったが、戯曲『天の岩戸』(1924)で認められ、戯曲集『人魂(ひとだま)黄表紙』(1927)を刊行。のち新築地(つきじ)劇団に参加したが、転向して新劇運動から離れ、新派、新国劇の脚色・演出にあたった。第二次世界大戦後、東京日日新聞社の社友となり、同紙に風刺に満ちた警世の随筆『ブラリひようたん』(1948~51)を連載、好評を博した。ほかに自伝的小説『人情馬鹿』(1932~33)がある。
[藤木宏幸]
『『高田保著作集』全五巻(1952~53・創元社)』▽『榊原勝著『高田保伝』(1982・風濤社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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