掻き上げる(読み)カキアゲル

デジタル大辞泉 「掻き上げる」の意味・読み・例文・類語

かき‐あ・げる【×掻き上げる/×掻き揚げる】

[動ガ下一][文]かきあ・ぐ[ガ下二]
ひっかくように上の方へ引き上げる。「髪のほつれを―・げる」
明るくなるように灯心をかき立てる。
「その日のようさり、火をほのかに―・げて泣き伏せり」〈篁物語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「掻き上げる」の意味・読み・例文・類語

かき‐あ・げる【掻上・掻揚】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]かきあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 上の方へひきあげる。かかげる。
    1. [初出の実例]「袴を塞(カキアケテ)(はぎ)を見れば〈国会図書館本訓釈 搴 可岐阿ケテ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
  3. 灯心をかき立てて明るくする。
    1. [初出の実例]「ようさり、火をほのかにかきあげて泣き臥せり」(出典:篁物語(12C後か))
  4. 寄せ集めてきて上に積む。
    1. [初出の実例]「フタツ ノ カワ ノ ヲチアイ ニ タイボク ヲ タテテ、サク ヲ ツイテ caqiaguetareba(カキアゲタレバ)」(出典:天草本平家(1592)三)
  5. 上の方へ櫛(くし)を動かして、髪をすく。
    1. [初出の実例]「『まア、何て云ふ頭髪だらう、解いて貰はうか知ら』と云って、額に皺を寄せてぐいぐいと強く掻上(カキア)げ」(出典:はやり唄(1902)〈小杉天外〉六)
  6. ( 「かき」は支払う意。「あげる」はすっかりする意 ) すっかり支払う。
    1. [初出の実例]「皆銀(かね)の利にかきあげ、人奉公して気をこらしける」(出典:浮世草子世間胸算用(1692)四)

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