灯心(読み)トウシミ

デジタル大辞泉 「灯心」の意味・読み・例文・類語

とう‐しみ【灯心】

《「とうじみ」とも》「とうしん(灯心)」に同じ。
「髪は―を戴きたるやうにて」〈今昔・二九・二六〉

とう‐しん【灯心/灯芯】

行灯あんどん・ランプなどの芯。灯油に浸して火をともすひも状のもの。綿糸などをり合わせて作る。

とう‐すみ【灯心】

《「とうしみ」の音変化》「とうしん(灯心)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「灯心」の意味・読み・例文・類語

とう‐しん【灯心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あんどん・ランプなどの心(しん)。灯油にひたして火をともすのに用いる細い紐状のもの。多く細藺(ほそい)のなかごの白くて軽い髄や綿糸などを用いる。とうしみ。とうすみ。灯炷(とうしゅ)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「御手づから百二十筋の燈心(トウシン)を束ね」(出典太平記(14C後)五)
    2. [その他の文献]〔物類相感志‐雑著〕
  3. 一種堕胎薬に灰をひたして飲むと妊娠中絶ができると信じられた。
    1. [初出の実例]「とうしんをたれに聞いたか嫁はのみ」(出典:雑俳・柳多留‐六(1771))

とう‐すみ【灯心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「とうしみ」の変化した語 ) =とうしん(灯心)〔頓要集(14C後‐15C前)〕
  3. (い)の茎の髄の称。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  4. とうすみとんぼ(灯心蜻蛉)」の略。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「とうすみはとぶよりとまること多き」(出典:母子草(1949)〈富安風生〉)

とう‐しみ【灯心】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「とうじみ」とも ) =とうしん(灯心)〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「祭の日の放免のつけ物に、ことやうなる紺の布四五反にて馬をつくりて、尾髪にはとうじみをして」(出典:徒然草(1331頃)二二一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「灯心」の意味・わかりやすい解説

灯心
とうしん

灯火の芯。灯火には初めは油を含ませたものを燃やしたが,のちに灯心を利用することが発明された。麻や綿の布を細かく裂いたものや糸を束ね,毛管現象を応用して油をしみこませて,その先端に点火する。また藺草 (いぐさ) を蒸し,そのなかごを取出して灯心に用いることもあり,このために藺草を灯心草ともいう。

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普及版 字通 「灯心」の読み・字形・画数・意味

【灯心】とうしん

灯芯。

字通「灯」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の灯心の言及

【イグサ(藺草)】より

…イとも呼び,茎を畳表や花むしろの材料とするために栽培もするイグサ科の多年草(イラスト)。茎の髄を灯心として利用したところからトウシンソウの名もある。
[形状]
 1株に多数の細い茎が立つ。…

※「灯心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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