掻出(読み)かきいず

精選版 日本国語大辞典 「掻出」の意味・読み・例文・類語

かき‐い・ず ‥いづ【掻出】

〘他ダ下二〙
※竹取(9C末‐10C初)「さが尻をかき出て、ここらのおほやけ人に見せて、はぢを見せん」
② (「かき」は接頭語) =かきいだす(掻出)
源氏(1001‐14頃)夕霧「なほいとひたぶるにそぎすてまほしうおぼさるる御くしをかきいでてみ給へば」

かき‐いだ・す【掻出】

〘他サ四〙
古本説話集(1130頃か)六二「大きなりける桶(をけ)に、白き物をふた桶かきいだして」
② (「かき」は接頭語) 外へ取り出す。いだす。だす。かきいず。
※源氏(1001‐14頃)手習「き帳のかたびらのほころびより御髪をかきいだし給ひつる」

かき‐だ・す【掻出】

〘他サ五(四)〙
① 指、爪や道具で、物を掻くようにして外へ出す。かいだす。かきいず。かきいだす。
※玉塵抄(1563)四九「寒夜に詩を案じて、炉の火をかきだし、かきのけして案ずるほどに」
② 掻き始める。

かき‐だし【掻出】

〘名〙 手や道具でものを掻いて引き出すこと。
青べか物語(1960)〈山本周五郎〉白い人たち「石灰の掻き出しに使う大きなショベルを振り上げていた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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