揚力係数(読み)ようりょくけいすう(その他表記)lift coefficient

改訂新版 世界大百科事典 「揚力係数」の意味・わかりやすい解説

揚力係数 (ようりょくけいすう)
lift coefficient

航空機の翼をはじめ物体が空気や水の中を動き,または流れの中に置かれると,多くの場合上下面の圧力に差ができ,流れに直角に上向きか下向きの揚力を生ずる。この揚力の,物の形や置かれた角度迎え角)による違いを表す値を揚力係数(記号Cl。無次元)といい,揚力Lは,で計算できる。ここでLは揚力(kgf),ρは流体密度(kgf・s2/m4),Vは流速(m/s),Sは物体の平面積(m2)である。

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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の揚力係数の言及

【翼】より

Sは翼面積(m2),qは空気の動圧つまり飛行速度での正面面積1m2当りの風圧で,飛行速度をv(m/s),空気の密度をρ(kgs2/m4)として,q=ρv2/2である。CLを揚力係数lift coefficient,CDを抗力係数drag coefficient(または抵抗係数)といい,その値は翼の形や迎え角で変わる。迎え角αを横軸にグラフをかくと,揚力係数CLは零揚力角α0Lから失速が始まるまで,ほぼαに比例して直線的に増す(図2-a)。…

【高揚力装置】より

…その代表は翼の後縁のフラップflap(かつては下げ翼とも呼んだ)で,ほとんどの飛行機についているが,機体により他の種類の高揚力装置も使われる(図)。
[高揚力装置の必要性]
 翼の出す揚力は,翼の面積,飛行速度の2乗,翼の形状と迎え角とで変わる揚力係数CLに,それぞれ比例する。飛行機が水平飛行するには機の重量に等しい揚力を必要とするので,離着陸のように低速で飛ぶときは,翼の迎え角を増してCLを高めなければならない。…

【翼】より

Sは翼面積(m2),qは空気の動圧つまり飛行速度での正面面積1m2当りの風圧で,飛行速度をv(m/s),空気の密度をρ(kgs2/m4)として,q=ρv2/2である。CLを揚力係数lift coefficient,CDを抗力係数drag coefficient(または抵抗係数)といい,その値は翼の形や迎え角で変わる。迎え角αを横軸にグラフをかくと,揚力係数CLは零揚力角α0Lから失速が始まるまで,ほぼαに比例して直線的に増す(図2-a)。…

※「揚力係数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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