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揚力 ようりょく lift

翻訳|lift

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

揚力
ようりょく
lift

元来,飛行機の翼に対して働く力のうち,進行方向に直角な成分をいうが,一般には流体中を進行する物体が,進行方向と直角の方向に受ける力を揚力という。飛行機の翼やスプーンのような非対称形の物体に流れが当ると,流れは片側では加速され,他の側では減速される。

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デジタル大辞泉の解説

よう‐りょく〔ヤウ‐〕【揚力】

流体中を運動する物体に対して、その運動方向に垂直で上向きに作用する力。翼のような薄板を流れにやや上向きに動かすと、流れを下向きに変え、その反作用として上向きの力を受ける。

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百科事典マイペディアの解説

揚力【ようりょく】

流れの中にある物体に働く合力のうち,その流れに垂直な方向の成分。代表的なものは飛行機のに働く揚力で,その大きさは,ほぼ翼の面積と飛行速度の2乗に比例する。したがって速度の大きい飛行機の翼は小さい。
→関連項目音の壁高揚力装置抗力ジュコーフスキー上反角揚抗比

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パラグライダー用語辞典の解説

揚力

翼を上向きに引き上げる力。Lift。揚力はキャノピー(翼)が気体の中を前進する事により発生する。なぜ揚力が発生するか?はベルヌ-イの定理を参照。★揚力と抗力から合成された力、空気力(R)と重力がつり合い、バラグライダーは滑空している。★翼弦線は水平線ではなく、翼の方向である。★迎え角とは滑空方向に対する翼の上向きの角度であることが判る。★揚力は滑空方向に対し直角に発生している。★抗力が減っていくと揚力のベクトルは空気力に近づき、仮に抗力がゼロになると滑空方向は水平となる。★揚力と抗力の比、揚抗比は滑空比と等しくなる。揚力は次のような式で求められる。(図2)CL 揚力係数  物体の形状や大きさ、迎え角により決る。ρ 流体の密度  (海面高度の大気中なら 1.2250 kg/m3)V  対気速度S  翼面積L  発生する揚力注意  ★この式から揚力(L)は速度の2乗に比例している事が判るが、  無動力で飛行するパラグライダーにおいて、例えばアクセルなどを利用してスピードを増した場合、  アクセルにより迎え角が小さくなり揚力係数がそれに比例して小さくなる。  従って揚力が増大することはない。 ★揚力(L)は飛行時には近似値として総重量(G)と吊りあっている。 この公式を利用してバラストなどで重量を増した場合、どの位スピードが増すか?また同じ機種のグライダーでサイズを小さくすると、どの位スピードが増すか?など調べて見るのもおもしろい。
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世界大百科事典 第2版の解説

ようりょく【揚力 lift】

流れの中におかれた物体または静止流体中を進行する物体に働く力の中で,流れまたは物体の進行方向に垂直な成分。とくに飛行機の翼のような薄い流線形の物体が,上方に凸な反りや正の迎え角αをもって粘性の小さな流れの中におかれたときに働く力は,ほぼ上方に向かうので,揚力といえばこの翼に働く力をさすことが多い。このときの力は,流れが翼によって偏向され下向きの運動量を得るための反作用と考えることができる。またその大きさが,翼のまわりの循環をΓ,流体の密度をρ,流速をUとするときρUΓになることは,クッタ=ジューコフスキーの定理として知られている。

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大辞林 第三版の解説

ようりょく【揚力】

流れの中に置かれた物体、特に翼のように流れに傾けて置いた板が受ける力のうち、流れの方向に垂直に働く力。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

揚力
ようりょく
lift

静止流体中を運動する物体は一般に流体から力Fを受ける。その力の進行方向に逆向きの成分Dを抵抗、進行方向に直角の成分Lを揚力という。空気より重い飛行機が水平飛行をすることができるのは、翼に働く揚力が飛行機の重量を支えるからである。
 揚力の発生する原因は次のように考えられる。静止流体中を物体が等速運動するのは、相対的に考えると一様な流れが物体に当たるのと同じである。水平な流れの中に飛行機の翼のような薄い板を傾けて置くと、流れは下向きに方向を変える。つまり、流体は下向きの運動量を板からもらうことになる。これは板が流体に下向きの力を及ぼすことを意味する。したがって、その反作用として、板は流体から上向きの力を受けることになる。これがすなわち揚力である。流体の密度をρ、流速をUとすると、運動量はρUに比例するから、単位時間当りの流体の運動量の変化、したがって板に働く揚力LはρU2に比例し、また、板の傾きの角(迎え角)αが大きいほど大きい。その結果、一般に、長さlの板の単位幅当りに働く揚力は

の形に表される。比例係数CLは揚力係数lift coefficientとよばれ、流体力学の理論によればCLm sinαのように与えられる(mは定数)。平板の場合m=2π≒6.28である。実際の流れでは、この公式が成り立つのは傾きαが15°程度以下の場合で、またmの値もだいたい5.5ぐらいである。α>15゜では板の背後に渦ができて、揚力はかえって減少する。この現象を失速stallという。これは板の表面の境界層がはがれるために、流れの下向きの方向変化、したがって運動量変化がおこりにくくなるためである。なお、この場合、板の背後の渦領域では圧力が低下するために、板は後方に引かれる。つまり、板には大きい抵抗が働くことになる。揚力を増加しようとして翼の傾きαを過度に大きくすると、揚力係数の減少とともに抵抗が著しく増加するために、飛行機の速度Uが急に低下する。失速の名はこれに由来する。
 失速現象のために翼の揚力係数には翼の断面形によって決まる最大値(CL)maxがある。これを最大揚力係数という。揚力はCLU2に比例するので、飛行機に可能な水平飛行速度には、(CL)maxに相当して最低値がある。したがって、低速で水平飛行をするためには(CL)maxを大きくする必要がある。翼に適当な厚さと反りをつけ、前縁に丸みをつけることによって(CL)maxはある程度大きくすることができる。さらに(CL)maxを大きくするためには、下げ翼などの高揚力装置が使われる。[今井 功]
『谷一郎著『流れ学』(1967・岩波書店) ▽中山泰喜著『流体の力学』改訂版(1998・養賢堂) ▽D・J・トリトン著、河村哲也訳『トリトン流体力学』上・第2版(2002・インデックス出版)』

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世界大百科事典内の揚力の言及

【バレエ】より

…バレエ・マスターともいう。リフトlift男性舞踊手が相手役を高く持ち上げる技法の総称。英語圏のみで使用される。…

【グライダー】より

…小型のエンジンと推進器をもち,自力で離陸,上昇し,空中でエンジンを止めて滑空を行うものはモーターグライダーmotor gliderという。
[滑空の原理]
 固定翼をつけた航空機は,前進することで翼に働く空気力を利用して空中に浮くことができるが,この空気力のうち,進行方向に垂直上向きに働く力を揚力,進行方向に平行で後向きに働く力を抗力と呼ぶ。定常飛行では揚力は重力とつり合い,推進器を備えた飛行機では,水平飛行ができて推力と抗力とがつり合う。…

【飛行機】より

…人間が乗って空気の中を飛ぶ乗物を総称して航空機といい,その中で,ジェットエンジン,プロペラなどの推進装置の力で前進し,その際,固定翼(回転したり,羽ばたいたりすることのない翼)に生ずる動的な上向きの空気力,すなわち揚力によって自分の全重量を支えて飛ぶものが飛行機である。航空機には,飛行機のほか,推進装置のないグライダー,回転翼の揚力を利用するヘリコプター,空気より軽いガスをいれた袋に働く空気の静浮力を利用する気球,飛行船などいろいろの種類がある。…

【翼】より

…羽根,つばさともいう。空気など流体の中を動き,または風や流れを受けたとき,大きな揚力を発生することをおもな目的としたもので,航空機を空に浮かべる役割を果たす。航空機のうち飛行機やグライダーの翼は機体と一体となっており,機が前進すると風が当たって揚力を生ずるもので,固定翼と呼ばれる。…

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