散蓮華(読み)ちりれんげ

精選版 日本国語大辞典 「散蓮華」の意味・読み・例文・類語

ちり‐れんげ【散蓮華】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 散った蓮(はす)の花。《 季語・夏 》
  3. ( 形がに似ているところから ) 柄(え)の短い、小さな陶製もしくは金属製のさじ。れんげ。
    1. [初出の実例]「どうこ火ばちへしんちうのちろりをつけ、なべ鳥をかけ、手しほちりれんげなどみごとにならべて」(出典:洒落本・船頭部屋(19C初)鳥居町舟宿の套)
  4. 細長くて、しゃくれた顔。しゃくれ顔。また、その人。
    1. [初出の実例]「『どう見ても、お前の顔は』『どうしたと』『間抜な顔だねえ』『ええいめえましい散蓮華(チリレンゲ)だ』」(出典:歌舞伎・群清滝贔屓勢力(1867)中幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の散蓮華の言及

【スプーン】より

…中国でもやがてはしで飯を食べるようになった。平安朝のさじは形がハスの花弁の1片に似ていたので,後世食卓用の〈散蓮華(ちりれんげ)〉(略して〈れんげ〉)となって現在も残っている。匙を〈さじ〉と呼ぶようになったのは,鎌倉時代に茶道が,室町時代に香道が起こって,茶匙,香匙(きようじ)など用途に応じて呼ばれるようになり,〈かい〉類の総称となったが,〈かい〉はさじ,大型の〈かい〉は杓子と呼んで区別するようになった。…

※「散蓮華」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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