文出村(読み)ふみでむら

日本歴史地名大系 「文出村」の解説

文出村
ふみでむら

[現在地名]諏訪市豊田とよだ 文出

諏訪湖の東南方、みや川の川口近くの沖積地にある。古くは「踏出」と書かれ、天正一一年(一五八三)八月の諏訪頼忠宛行状(柳沢氏蔵)に、頼忠が「踏出之文右衛門尉」に田辺たんべの内の田畑を宛行ったことが記されている。

明暦元年(一六五五)一〇月の文出村給所帳(文出共有)によれば、六〇〇余石が一七人の給人に知行されており、寛文五年(一六六五)一一月の文出村検地野帳(文出共有)によれば高七六二・一九余石であった。この村は諏訪湖に近く、満水堀まんすいぼりなどによって諏訪湖の水位が下がったため、湖岸にできた葦などの生えた湿潤の土地が多く、これを阿原あわらとよぶ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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