ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斉次座標」の意味・わかりやすい解説 斉次座標せいじざひょうhomogeneous coordinates 同次座標,射影座標ともいう。射影幾何学においては無限遠点も考えにいれなくてはならないが,無限遠点を特別扱いにすると形式上いろいろの不便が生じるので,これを通常の点と同様に扱えるように導入された座標。たとえば,平面上のデカルト座標系では通常の点は座標 (x,y) で表わされるが,x=x1/x0 ,y=x2/x0(x0≠0) という3数の組 (x0,x1,x2) を考えると,連比 x0:x1:x2 によって点 (x,y) を表わすことができる。 x1=x2=0 のときは原点 (0,0) ,x1=0 ,x2≠0 のときは y 軸上の点を,x1≠0 ,x2=0 のときは x 軸上の点を表わす。いま x1≠0 とすれば,x0→0 のとき x1/x0→∞ であるから (0,x1,x2) は x2/x1=m として,直線 y=mx 上の無限遠点を表わす。 x1=0 ,x2≠0 のときは y 軸上の無限遠点を表わす。すなわち,少くとも1つは0でない3数の組 (x0,x1,x2) によって無限遠点をも含め (x,y) 座標のすべての点を表わすことができる。斉次座標を用いると,たとえば直線の方程式は斉次1次方程式 a0x0+a1x1+a2x2=0 の形で書けるなど,すべての方程式が同次式の形になり,形式的に取扱いやすくなる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by