知恵蔵 「斎藤佑樹」の解説
斎藤佑樹
早稲田実業学校高等部在学中、3年生で出場した春の甲子園(第78回選抜高等学校野球大会)では準々決勝で敗れたが、夏の甲子園(第88回)では、決勝戦で駒澤大学附属苫小牧高等学校と対戦して引き分け、再試合にて田中将大投手(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)との投げ合いの末、優勝した。この大会中の登板は、全69回、948球。青いハンカチで顔の汗をぬぐうことにも注目が集まり「ハンカチ王子」のニックネームが付けられた。このハンカチは既に製造が中止されており、ネットオークションで定価400円に対して1万円の値が付くなどの人気となった。
早稲田大学進学後は、1年生から活躍し、07年の春・秋東京六大学野球リーグ戦を連覇するなど計4回のリーグ優勝。1年生で全日本大学野球選手権、最終4年生では明治神宮大会も制した。早稲田大学野球部第100代主将でもある。
10年10月28日のプロ野球ドラフト会議では、4球団が1位指名を希望して競合し、北海道日本ハムファイターズが交渉権を獲得した。12月6日、都内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(金額はいずれも推定)で契約。
12月9日、札幌ドームで行った入団発表会見には8千人のファンが集まり、2軍の練習施設がある千葉県鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムで11年1月16日に行われた歓迎式典にも、約1万1千人のファンが詰めかけた。2月には、日本ハムファイターズ新人の中から、ただ一人1軍のキャンプに参加。沖縄名護市のキャンプ地でも、多くのファン・報道陣を集め、今後も経済効果面を含め、活躍が期待されている。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報